日本相撲協会と北の湖理事長(55=元横綱)が、理事長の現役時代の八百長疑惑記事を掲載した週刊現代の
発行元・講談社などに名誉棄損で損害賠償などを求めた訴訟の弁論準備手続きが30日、東京地裁で行われ、
北の湖理事長が原告として、被告側の証人として先代二子山親方(元大関貴ノ花の花田満さん=享年55)の
元夫人・藤田憲子さんが出廷することが決まった。
10月16日に予定される弁論で理事長と元おかみさんが対決する異例の事態になった。
理事長vs元おかみ-。異例の法廷対決が実現することになった。この日の弁論準備で北の湖理事長自ら
出廷することが決まった。理事長自身が出廷するのは、日本相撲協会にも記録がない。
「社会常識からしても、原告なのだから出廷するのは当然。訴訟を起こした時から考えていた。
(八百長は)ないものはないと、はっきりと主張するだけだ」と話した。
対する被告側も驚きの証人を用意していた。記事を執筆したフリーライターの武田頼政氏と、かつて八百長が
存在すると週刊誌上などで主張した元小結の板井圭介氏に続き、元二子山部屋のおかみだった藤田憲子さんだ。
週刊現代では07年3月10日号で、75年春場所で当時大関の貴ノ花が、
北の湖に優勝決定戦で勝ち初優勝したときに八百長があったと掲載。
原告代理人の吉川精一弁護士によると、
裁判では被告側はその裏付け証拠として「(優勝を決めた)千秋楽後の部屋の祝勝会で人目がなくなったとき、
貴ノ花が関係者に『星の手当のために400万円用意して』と話していた」という証言があると、
準備書面に記載していた。
今回、藤田さんはこれに沿った証言をするとみられる。
この一報に、先代二子山親方と藤田さんの次男である貴乃花親方は、怒りをあらわにした。
「信じられません。部屋を捨てて出て行った人とはいえ、週刊現代側の証人として出廷すると言うことは、
日本相撲協会に所属する私とも戦うと言うことなのでしょうか」。
この日はくしくも先代の命日だっただけに、険しい口ぶりだった。
2人が“対決”する10月16日の法廷では、何が語られるのか。注目が集まりそうだ。
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